臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第65回(2008.5.3) <生きていることを楽しむ>

新緑の季節になりました。オフィスから見える、公園の桜や銀杏の樹も
青々として、さわやかな風を運んできてくれています。
この気まぐれナビを書き始めてから、5月3日でまる3年経ちます。
思えば、この3年の間にも、いろんな楽しいこと、辛いことがあったり、
いろんな方がオフィスを訪れ、様々な出会いと別れもありました。

 この夏、10年間続いている夏の研修会(通称キャンプ)が第11回目と
なり、初めて埼玉県で開催することとなりました。

5月の末に長瀞の施設に下見に行くのですが、プログラムも変更して、
新たに楽しいキャンプが若い仲間たちとできればいいなーと思っています。
どうぞ、皆さん、ご参加をお願いします。一緒に楽しみましょう!!

 「心からゆったり過ごす」というのは本当に難しいことだなと最近つくづく、
思います。休んでいるようでも、心は何か、いつも急かされて、焦っていたり、
「あれもしなくちゃ」、「これもしなくちゃ」と思っていて、身体は休めているのに、
ちっとも休養になっていないってことありませんか?脳の中がさまざまな不安や
心配でいっぱいで疲れきってしまっている。家にいてダラダラ何もしないで過ごすと
余計疲れてしまうことがあるのは、こういった気疲れからのストレスでしょう。

 前回のナビで紹介した本の著者の辻信一氏の「ナマケモノ倶楽部」では
ないけれど、ナマケモノになるのは本当に難しい。
適度に仕事をして、生活が安定していて遊びや趣味も楽しめている、
休息も十分に取れているといった、バランスの取れた生活って、なかなか
難しいような気がします。頑張りすぎたり、無理をしすぎたり。

お金がなくて暇か、仕事がいっぱいでお金はあるけど、暇も時間もないか、
どっちかになりがちではないでしょうか。
お金もないし、暇も無い。働けども働けども暮らしは少しも楽にならない、
ワーキング・プアーの問題も取りざたされています。

 また、お金はあるけど、生きがいがなかったり、生きがいはあるけど、
お金がなかったり。どうしたら、うまく生きられるのかなー?

税金を無駄使い、年金制度もめちゃくちゃになっている某国の政府のせいに
して愚痴っていても、解決にもならないような気がします。自分の生き方の
問題だから。

自分の意識体験(考え方、体験の仕方)を変えることで、もしかしたら、
変わっていけるのではないかと、日々、私も模索しているところです。

 ターシャ・テューダーという93歳の絵本作家をご存知な方もいらっしゃるかも
しれません。彼女は離婚して、4人の子どもを自分の手で育て上げましたが、
綺麗な庭造りをして、美しい花園に囲まれながら、コーギー犬を飼い、
復活祭やクリスマスなど、季節の行事を大切にして、手作りのクッキーや、
手作りのぬいぐるみなど、自給自足に近い生活をしていて、とても生き生きとして、
溌剌としています。

「生きていることを楽しんで」(メディアファクトリー1600円税別)という本
にはそのような生活の写真と、生き方が文章になって書かれています。
そんな生き方はなかなかできないかもしれないけれど、毎日「楽しいなー」
「うれしいなー」と思って生きるのと、「辛いなー」「悲しいなー」
「自分なんかどうせ・・・」などと思って生きるのとでは、
免疫に影響が出て、健康にも差が出ると思うので、どんなことがあっても、
できるだけ、ほがらかにして、今、生きている中でのほんの小さなことに感謝して、
生きている楽しさ、うれしさを堪能したいと思っている今日このごろです。