臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第75回(2009.2.9) 「母とのお別れ」

先日、私の母が亡くなり、オフィスを急に、休まざるを得なくなり、急遽面接を延期していただき、たいへんご迷惑をおかけした方もいらっしゃると思います。本当に、申し訳ありませんでした。この場を借りて深くお詫び申し上げます。

おかげさまで、無事に葬儀もすませることができました。お寺での身内だけの葬儀でしたが、ピンクや白、紫などの美しい花で飾られた祭壇で、母にふさわしいような感じでした。出棺の時には、静岡から取り寄せた200本の真紅の薔薇(母が一番好きだった)を顔のまわりに、入れて、他の祭壇の花を足元などに埋め尽くして、棺の蓋を閉めて、さながら「眠れる森の美女」のような感じで見送りました。昔、よく、母は夜、私や兄が眠るまでの時間、ベッドでいろんなおとぎ話の絵本を読んで聞かせてくれていました。「眠れる森の美女」や「ラプンツェル」「七匹の小ヤギ」「赤頭巾ちゃん」など、迫真の演技で魔女やオオカミの声を出したりしていました。特に気に入っていた話は、魔女が髪の長い女性(ラプンツェル)を高い塔に閉じ込めて、塔に上がる時に「ラプンツェルラプンツェル髪を伸ばしておくれ~」と、編んだ髪の毛をロープ代わりにつたって、魔女が塔を登っていく、最後には王子様がその髪の毛で登って救出するというストーリーを何度も何度も、語ってもらっては飽きずに喜んでいたのを思い出します。私も髪の毛を長く伸ばしていたのもあって、自分がヒロインになったような気持ちで、すごくそのお話が気に入っていました。

母は享年82歳でした。寅年生まれで、とても厳しい面のある人でしたが、反面、子ども思いで、優しい面もありました。几帳面で強迫的な面もあり潔癖症。何事もきちんとしないと嫌で、ことさら、時間に遅れるのが大嫌いでした。時間厳守。それで、私も、今でも、どんな時にも遅れないように、早めに行っているクセがついてしまいました。

長い間、私はいろんな病気をして入院を繰り返したりで、母にはかなり面倒をかけました。たいへん感謝していますが、その裏でいろんな思いもありました。何でも簡単に上手にやってのける、母親へのコンプレックスとか。支配・干渉が嫌だったりとか。しかし、それも、これからはもう感じることはないのだなと思います。親子であり、姉妹みたいにケンカをしたり、息子(母にとっては孫)を見てもらったり、良き相談相手でもあったり、ライバルでもあったのかなーと思っています。母のおかげで、子どもを育てながら仕事を続ける事ができたと思っています。

オフィスでいろいろ悩んで来られる女性の方の中に、母親との関係で悩んでいらっしゃる方も多くおられます。お話を伺いながら、共通するものを感じたり、自分と母の関係を思い巡らしたりしていることが多くありました。「母ー娘関係」は特別なものがあると思います。避けて通れない、言葉に言い尽くせない、いろいろな葛藤が・・・カウンセラーとして、女性であることが役立つ時は、このような母親と娘との問題が話題にあがったときだと思います。

逆に、父ー息子関係はわからないところがあるかもしれません。私の兄と父あるいは、主人と父の関係を客観的に見ることしか出来ないから。しかし、オフィスには男性女性、いろんな年代のカウンセラーがいますので、幅広い年齢層の方のご相談をお受けする事ができると思います。

本年1月から、我々の仲間に加わってくださった、井上忠典先生の紹介が、スタッフ紹介のところに載っています。男性の年配のカウンセラーにカウンセリングを受けたい方は、どうぞ、ご指名ください。自律訓練法催眠療法も実践されて来られた先生です。また、カウンセラーの方や近接領域のPSWなどの職種の方はスーパーヴィジョンやコンサルテーションもお受けする事が可能です。料金もオフィスの規定で決まっているので、心配なく受ける事ができます。阿部や他のスタッフ同様、どうぞよろしくお願い致します。