臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第80回(2009.7.17.) 「雨の季節に、ホワイト・タイガー見ました!!」

梅雨もやっと明けましたね!!とはいってもまだ、雨の日もありそうかな?先日、乗馬クラブの休憩時間に、今まで、めったにクラブハウスから外へ出たことがなかったのですが、ひょいと思いついて、友人Aさんと、東武動物公園の中に行って散歩をしました。(Aさんはこの散歩で1日の歩数が18000歩にもなったそうです。日常では5000歩行かないこともあるそうですが。)

梅雨空の中、緑は生き生きとしていて、ひどい雨でなければ、かえって、私は「この季節に外に出るのが気持ちいいかもしれない」と思うことがあります。ジメジメした季節を乗り切るコツは、「雨で、うっとおしくて嫌だなー」と思うのではなく、「緑にとっては水分補給が十分で緑が綺麗だなー」と思うことかもしれません。昔から、私は、雨をそんなに嫌いではなく、窓についた雨の雫が光に照らされてキラキラ光るのを何十分も見つめていることがあるような一風変わった女の子でした。

地面を見ると、たくさん三つ葉が茂っていて、「四葉のクローバーが見つかるかしら」なんて思いながら、探し始めましたら、なんと!!ほどなく四葉のクローバーを見つけることができました!!

昔、私が大病をして長期に入院していた時に、回復を願って、四葉のクローバーを送ってくれた人がいて、なんとなく、そのイメージが強すぎて、つらかった入院時代のことを思い出したくないため、四葉のクローバーを今まで、自分では探したことが一度もありませんでした。「これがあれば幸せになれる」というのより、過去のつらかった病室での体験が思い出されてしまうのです。 そして、「私には見つかりっこない」といつもは思ってしまい、探す気になれなかったのですが、その時は、ふと「探したら見つかるかもしれない」と素直に思えて、クローバーの密集したところに目をやったら、見つかったというわけです。「見つかりっこない」と思って探すのと、「見つかるかもしれない」と思って探すのでは自分の構えが変わり、自己暗示もそれに応じて変わり、結果も変わっていくと感じました。

散歩のついでに、ホワイト・タイガーも見ました。前回の気まぐれナビは、猫カフェの話でしたが、ホワイト・タイガーも「猫族」なので、ちょっと、猫っぽい話が続きますね。

ホワイト・タイガーはご覧の写真のように、真っ白な毛並みに、とても綺麗な、うす茶色の模様がまるでマーブル・ケーキの様に、ついていて、瞳は透明な何とも言えない淡い水色の宝石みたいな感じです。写真を撮るときに、タイガーがよそ見をしていたので、Aさんが「こっちよ!」と手招きで合図をしたら、こっちを見て口を大きく開けて大サービス。カメラ目線になってくれました。ガラス一枚だけで隔てられているので、ずいぶん近いところにいるように感じます。

散歩の後、乗馬クラブに戻って、スキャンという駈歩が上手な馬に乗りました。雌馬で、とても美しい顔をしています。

性格もとても穏やかで、洗い場で、馬装(鞍などを馬につけること)をするときに嫌がって怒り、暴れてこちらの足を蹴ろうとする馬も中にはいるのですが、スキャンはとても大人しく、馬装をさせてくれます。そして、乗り方さえ間違わなければ、とてもゆっくりとした良い駈歩を出してくれます。スキャンの駈歩はまるで、自分が空を滑って飛んでいるように感じることがあります。「姿勢に気をつけて」とか、「前のめりにならないように」とか、「手を上にあげないように」とか指導員の先生の、いくつかのいつも受ける注意を聞きながら乗ります。頭ではわかってはいても、身体は思うように動かず、繰り返し同じ間違いをしてしまいますが、少しずつは前よりは進歩していると感じることもあります。

仕事の気分転換・ストレス解消の目的で単なる「趣味」-楽しみ-で始めた乗馬ですが、やはり、やってみると、馬を乗りこなすのに容易でない部分も多く、いくつも超えなければならない高い壁が出てきて、挫折感や落ち込みを何度も繰り返し経験しました。でも、初めて自分でやり始めた趣味なので、やめないで、自分の身体の続く限り、出来る限りは続けていきたいと思っています。

<訃報>
先月、6月27日にたいへんお世話になった、気功の師匠の巌 美稚子先生(国際リラクゼーションセラピー協会 主宰)が逝去されました。ここに、慎んで、ご冥福をお祈りさせていただきます。巌先生に連れられて、北京や西安に、私の今は亡き母と一緒に行ったのが、かれこれ15年ほど前になります。私が健康をめきめき回復できたのも、この中国旅行と、巌先生との出会い、巌先生の師匠の特級気功師 万 蘇健先生やお弟子さんたちとの出会いがきっかけでした。この後、「心と身体の接点」という個人シンポジウムを日本心理臨床学会(1996年9月)で企画し、気功・動作法・ヨガなどをカウンセリングに利用されている先生方に話していただいた時に、巌先生に気功の話を聞き、参加者みんなで気功ウオーキングをその場で実体験しました。その時の指定討論者が阿部真里子臨床心理オフィスの顧問の河野良和先生でした。様々な出会いによって元気になった自分が今ここにあると実感しています。最後に(5年ほど前)、巌先生と京都でお会いして食事をした時、それまで身体の弱かった私が「乗馬をしている」と話したら、驚かれていたのがまざまざと思い出されます。

どうぞ、安らかにお眠り下さい。