臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第13回(2005.7.16.) <催眠の話>

うちのオフィスは「催眠を扱いますよ」というので、期待されて来られる方も多いのですが、「催眠」についての誤解(誤った認識)から、不安・怖さをお持ちの方もおられますね。待合室でとても青く緊張した面持ちで待っておられるので、面接室で話を聞いてみると、催眠への期待感も大きいのですが、一方で、「どんなことされるのだろう」と思い怖かったと話される方がいました。そのような方も阿部と少し話せば、すっかりくつろいで、不安が少なくなります。

  催眠を使わなくても、すっかり、ほぐれてお互い冗談を言い合い、リラックスした状態になれると思いますヨ。阿部のオフィスで使われる催眠は全く心配はいらないし、催眠中の言葉はすべて本人にも聞こえているし、「催眠にかけられる」のではなく、その人本人自身が「催眠に入る」という表現が適切であることがわかります。醒めるのも自分しだい。すぐに醒めることが可能です。テレビでのショー的な催眠の影響で、なんか変な印象をみなさんが抱いてしまっているというのがあります。テレビではおもしろおかしく、見ている人が楽しめるように、わかりやすいようにショー的要素が大きいからでしょう。興味本位で、真面目な扱い方をしている番組が少ないのが実情で残念です。実際の臨床場面で使われる催眠はこれとは全く違って、表から見たら、何も変化ないような(見ている側にとってはかなりつまらない場合も)静かな様子なのに、被催眠者の内面では大きな変化が生じているというようなことも多くあります。

  私も大学生の頃に既に、催眠について興味を持って本で読んでいたのですが、やはり少し怖さを抱いていたのを覚えています。

  ところがその後、何回も自分で催眠の研修・訓練を受けるようになって、今まで抱いていたのと全く違うということがわかりました。

  リラクセーション(脱力)のとても深いものといえば、近いでしょうか?ヨガや気功で得られる深い脱力の感覚とも共通と思われる「トランス」と呼ばれる状態になります。そこではイメージが出やすいし、そこで唱えた、良い自己暗示は作用しやすいのです。何より催眠から醒めた時にとても心地よいですヨ!