臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第16回(2005.8.16.) <ついに、北海道に馬に乗りに行きましたよ!>

2年前の夏頃、北海道にある「アエル優駿ビレッジ」という施設のパンフレットが乗馬クラブにあるのを発見して、「いつか行けたらいいなー」とずっと思ってきました。

  今回の夏休み。乗馬クラブで駆け足まで段階が進み、ある程度は乗れるかなと思えるようになったので、ボウケン!思い切って、ウエッブで「アエル」に宿泊予約し、乗馬の予約も。そして、19歳の息子に一緒に行ってもらうことに。初めての息子との二人だけの旅です。これまで仕事が忙しすぎて、息子とゆっくり話したことがほとんどないのですが、今回、飽きるほど話せました。ホテルのまわりに何もなかったので。温泉(ホテルの3階に眺めのいい展望風呂)に入るか、食事をするか、馬に乗るか、散歩をするか、話すかという選択肢しかありません。息子は特に乗馬をやっているわけでもなく、動物はすごく好きなのですが、あんまり楽しい場所への旅行ではなかったと思います。でも、(嫌々?)つきあってくれました。本当は馬好き仲間がいっしょなら、良かったのですが・・・

 しかし、「アエル」は本当に遠くて不便な場所にあるのです。襟裳岬にほとんど近い場所で、自然以外は全く何もない。大平原。「コンビニがない」(コンビニ依存?)のをしきりに息子がぼやいていました。新千歳空港駅から苫小牧まで電車で行って(1時間)、そこからまた、日高本線という単線の2両編成の電車に乗って、3時間。5時起きで、朝7時半の飛行機で羽田を出発。アエルに着いたのが、午後2時少し前でした(息子は飽きてずっと寝ていました)。

 日高本線はまるで海の上を走っているような錯覚に陥るような電車でした。海岸のすぐそばを走っているので、車体や線路などが隠れて見えないと、ほんと「千と千尋の神隠し」に出てくる海の上を走る列車みたいです(片側の窓だけ)。窓から見える景色が海、海、海。建物は何にもない。


無人

お花畑

乗馬コース

牧場


 水平線と時折見える海岸線がずーと、ずーと、ずーと、何キロも何十キロも続いていくのです。この景色に驚嘆しました!!千葉の九十九里どころの騒ぎではありません。なんと雄大な自然!それを眺めているだけであっという間に時間が過ぎて、私はさほど遠いとは感じませんでした。そして、その海岸線の景色の後は牧場や野原に馬が放牧されているのが見えて、野生の鹿までこちらを一瞬見て逃げて行くのも見えました。「アエル」のある、日高幌別駅(写真)に着くと、スーツに身を固めた白髪のホテルマンが恭しく出迎えてくださって、自動車でホテルまで。大きなバンにたった2人だけ。何もない、誰も降りない田舎の無人駅と、その出迎えの仰々しさのギャップがすごくおかしかったです。ホテルは写真のように、しゃれた作りで、外国にいるような感じ。ホテルの敷地内にも厩舎がいくつかあって、馬がいますので、すぐに馬に会えます。
 


ホテル全景

ホテルの建物

ホテル建物

お食事中


息子は藁をあげたり、顔をなでたりしに、何回も行きました。息子の本当に動物好きな一面を発見!息子ははじめは馬には「面倒だから乗らなくていいや。見てる」と言ってましたが、私一人で乗ってもつまらないので無理矢理乗せてしまいました。1日目は息子に乗馬を少し練習してもらい、その間、私は指導員と速歩(少し速めの2拍子の走り)を混ぜながら「トレッキング」(自然の中を馬に乗って行くことをこう言います)。2日目は二人で常歩(普通の歩き)でトレッキングできました。花の咲き乱れる野原、真っ青な空の元で、山を眺めながら林の中を行ったり、川の中に馬で入ったり、とても気持ち良かったです(残念ながら夢中で写真はなし)。こういうことのために今まで苦しくつらい(?!)乗馬の訓練をしてきたんだなーと思いました。時々、何かをやっていると、何のために練習しているのか忘れるってことありませんか?目的のための手段にすぎないのに、手段ばかりに一生懸命になっている。今回、本当に外乗という目的を達成し、十二分に堪能できました。

 そして、朝と夕方に、30頭ほどの馬たちが800メートルほど離れた厩舎と馬場の間を群れをなして移動するラウンドアップという珍しい「見せ場」というか、「日常行事」も目にすることができました。威風堂々としたリーダーの馬がきちんとみんなを統率して、山道を並んで帰っていく様は壮観でした(写真)。


ダンディ?

馬たち

お家に帰る馬

厩舎


 「アエル」からの帰りはもと来た道を引き返し、小樽へ寄りました。いくらうに丼を食べたり、お寿司を食べたり、零下40度の体験ができるという「しばれ館」にも行って、防寒着を着て氷で固められた室内を歩きました。オルゴール館もおもしろかったです。写真のように、ダンディー熊さんと記念撮影をしてしまいました。

 あっという間の「夢のような3日間」でした。楽しかったー!