臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第89回(2010.6.16)「梅雨に入りました」

梅雨入りして、じめじめして蒸し暑いですね。朝大雨でも昼から快晴になったり、天気の移り変わりも激しいですね。皆さん、体調を崩していませんか?このような時は、少し仕事のペースを落として、休養を取りつつ、ゆっくり仕事をしていった方が良いですね。

最近、見た映画で感動したものがあったので、このナビに書こうと思いました。

「RAILWAYS~49歳で電車の運転士になった男の物語~」です。

主人公は大会社のエリート社員でしたが、不況での工場閉鎖や社員のリストラなどを指揮して行なっているうちに、仕事に限界を感じ、家庭でも家族と心が通じ合わない毎日を過ごしています。その折、島根の実家の一人暮らしの母親が倒れたのをきっかけに、あっさりと会社を退職し、実家の島根県出雲市の小さな鉄道の運転手になろうと決心します。若い運転手に混じって試験を受けて、パスし、訓練を受けて運転手になり、子どもの頃から夢見ていた職業について、生き生きと仕事に励んで、利用者も、その運転手さんに親切にされて、感謝しており、仕事上のミスで、辞めようとしたときに、利用者が「辞めないでほしい」と駅に駆けつけてくる。そして、妻や娘ともいつしか心が通うようになっていくというほのぼのとした話です。派手なアクションがあるわけでもなく、大事件が勃発するわけでもない、ある運転手の、普通の日常を描いた作品ですが、島根の出雲の畑の広がる美しい景色がすばらしいです。行ってみたいなー。あの電車に乗ってみたいと思いました。あと、49歳で新しいことに挑戦なんて、人間の可能性って無限かもしれないな~と思い、勇気がもらえました。私も、乗馬は46歳、タップは48歳の時に始めましたものね。今でも、楽しく続けています。

 電車といえば、この間、午前中に、東武電車に乗っている時です。正確にいえば、日比谷線の相互乗り入れの、東武動物公園行きに乗り込んで、たぶん三ノ輪~上野付近だったかなと思うのですが、大きな身体をした外国人の男性3人組が車内でかなり大きな声で車両の両側に別れて座り、楽しげに、おしゃべりをしていました。まわりの人も十分に騒がしくて迷惑だなと思うような大きな声で話したり、大声で笑ったりでした。すると、白髪のお年寄りがその3人に注意をしに行ったところ、逆切れ。「なんだよ!アホ、馬鹿、ホームレス!」などの日本語での暴言。掴みかからんばかりになったところを、「まあまあまあ」とまわりの乗客の男性たちが、外国人たちの気持ちをおさめる人が二人、白髪のお年寄りを抱えるようにして、向こうの離れた遠い座席に座らせて、気持ちをおさめようとする人が一人。役割を打ち合わせもなく、こなして、なんとかその場が一時静かになり、おさまったかのように見えました。

ところが、遠く離れた席から、まだ外国人が罵倒することを年寄りに言い、また、お年よりも「何を!!」と言い返していると、一人の外国人がまた、私の前を通り過ぎて、離れたお年寄りのところへ詰め寄ろうとしたので、見るに見かねて、私は思わず、通路に立ちふさがって、その外国人の行く手をさえぎり、「もうやめましょう。静かにしてください!静かに!」と手を広げて、大きな声で叫びました。そうしたら、その外国人の男性は、引き下がって、こっちへ来るのはやめました。それからも、少し声は落としましたが、お年寄りへの、聞くに堪えない暴言、罵詈雑言は続きました。事を収めようとした人たちも次々降りて行き、お年寄りも、通路を先のほうへ歩いていってしまいました。後から、「逃げるのか!」と言った言葉を外国人の方たち浴びせられながら。北千住で、その外国人の一団は降りて行きましたが、降りる前に、私の側のドアのところまでわざわざ遠回りして来て、手すりの棒を、バンと一回殴っていきました。お年寄りに味方したように思ったのか、なんか私にも怒っていたようです。

たまたま電車内で遭遇した出来事でしたが、誰かが怪我をしたり、大事にならなくて良かったなと思いました。良く電車内でのいろいろな痴漢などの出来事に対して、まわりの人は見て見ぬふりでなんにもしてくれなかったという声がありますが、その時は、みんなそれぞれ、自分の役割を果たして、事態を収められたのでよかったです。自分でも、お年寄りに何かされたら困ると思い、何にも考えないで飛び出していたのには、後からビックリしてしまいました。私も、最初のうちは、「誰かが車掌さんを呼んで来てくれればいいのに」と傍観者的な態度もあったのですが。また、このようなことがあっても、冷静で、的確な対処ができる人になりたいと思いました。