臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第160回 「5月はいろいろな体験があり過ぎて胸がいっぱい!!」

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この5月はいつもよりもいろいろなことがあったような気がします。まだ、頭の中が整理できていない感じです。気持ちも。

 

ゴールデンウイークの4月29日(祝)には私が馬頭琴を習いに行っている渋谷の宮地楽器さんで「シタール×ヨガ×マッサージ インド音楽を聴く!」 というイベントがあり行きました。久々のヨガ(阿部は20年ほど前、インド人のヨガの先生に習っていたことがあります)と、初めて生(なま)で聴くシタール(インドの伝統的な楽器)に大興奮!!シタールのなんとも独特で奥深い調べを聞きながら、簡単なヨガで身体をほぐし、とても身体が軽くなりました。ヨガの、なるこ たえこ先生(写真左)の演奏するクリスタルボールという丸い器のような楽器が共鳴し、身体の隅々までボワ~ンと波動が届いていく感じ。部屋が不思議な空間になっていきました。とても楽しかったです。ヨガもアクロバティックなものではなく、とても自然なストレッチに近いような感じで初心者でもついていけるものでした。シタール奏者の伊藤礼先生(写真右)から「シタールがお寿司などでよく使われている干瓢(かんぴょう)の特大のものでできていて、中が空洞でとても壊れやすいこと。しかも5分の3しか使わないので、干瓢一個で二つは作れないことを聞いて興味深かったです。

 

4月の流鏑馬の鑑賞など、今年は行ってみたい、やってみたいと思ったことをできるだけ、一つ一つやってみようと思っています。人生短いですから、逃すと見られないで一生が終わってしまうかもしれません。

 

 

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<パラグアイの刺繍(ニャンドゥーティー)>

5月13日(日)はオフィスでの勉強会。今年5月~9月は、9月9日にある、心理職の国家資格の試験準備をみんなでしています。トップバッターの発表者は阿部で久々、教科書を必死にまとめて、みんなといろいろ検討し、臨床場面での体験を話し合いながら進めました。なんだか、楽しい勉強会になりました。そして、勉強会の参加者が帰る時、大阪から来た友人が玄関に飾ってあるパラグアイの刺繍(ニャンドゥーティー)の飾りを見て、「あっ」と小さな驚きの声を上げ、「どうしたのですか?」というところから、同じものを持っているということで、いろいろ会話してやり取りしたところ、なんと、私の高校時代の40年間の付き合いの親友と、その方が遠縁の親戚関係にあることがわかり、世間の狭さを実感しました!!今まで全く関係のなかった、東京の40年来の友人と、大阪の20年来の友人につながりがあったなんて想像もつきませんでした。人のつながりの不思議さに本当に驚いてしまいました。

 

 

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5月19日(土)モンゴル人の馬頭琴奏者の演奏会で、馬頭琴の師匠の美炎先生が一緒に演奏されるということで、六本木一丁目のサントリーホールのブルーローズ(小ホール)へ。「ASAR国際馬頭琴アンサンブル 5周年記念ツアーコンサート」に大宮での仕事が終わり次第、駆け付けました。馬頭琴の他に、パーカッションやチェロなどの楽器の合奏もあり、迫力のある演奏会でした。ホーミーという独特な口で出す声(歌?)も披露され、とても楽しめました。モンゴルの大草原にいるような感覚になります。演奏会の帰りに、近くのおシャレなイタリー風の店で「生ハム食べ放題」というのを見て入店し、サングリアを飲みながら、何皿も生ハムをお代わりして、これも大満足でした。

 

 

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<サントリーホールの前にて/生ハムのお店>

 

 

 

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5月20日(日)には変わった映画を観ました。スウェーデンの映画ですが、ある方に、その映画を紹介して頂き、前売り券まで頂いたので、無駄にしないよう、是非行かなきゃと思いました。その日曜日は1日中、会議が東京であったので、夕方、会議が終わると同時に、池袋の会場を飛び出して有楽町線で有楽町へ。ヒューマントラストシネマという、ビルの4階にある小さな映画館に行きました。映画の題名は「ザ・スクエア  思いやりの聖域」です。第70回 カンヌ映画祭のパルムドール賞 受賞の映画だそうです。

映画の紹介にコメディとありますが、全く笑えない、社会派の風刺の効いたシニカルな映画で、全編、なんかいろんなことが次々起こり、ドキドキハラハラして落ちつかず、いろんな感情が沸き起こり、恐れ、不安や憤り、戸惑いなど、なんとも、不思議な感覚に陥りました。自分の中にもある攻撃性や差別感覚などネガティブな部分が一挙に曝露されてしまうような変な感覚に襲われました。見終わっても、モヤモヤが残り、考えが溢れ出してスカッとはしませんでしたね。でも、自分が普段気づいていない、心の中の見たくない部分がさらけ出され、考えさせられる映画でした。一人で見たので、感想を語り合う人がおらず、なかなか落ち着きませんでしたが、しばらく経って、やっと、面白いと思えました。「今まで見たことのない映画」だというのは確かです。観客の心に強い何かがつき刺さる映画です。刺激が強いので、万人にお薦めとはいかない映画ですね。

 

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<「君の名前で僕を呼んで」のスチール写真>

 

5月22日(火)には「ザ・スクエア」のほかにもう一つ、「君の名前で僕を呼んで」CALL ME BY YOUR NAMEという映画の前売りチケットも同時にいただいたので、それも終了間近とのことで、急いで観に行きました。この映画は前のものよりも分かりやすく、24歳と17歳の若い男性同士の友情というか、愛情を描いた作品でした。イタリアの綺麗な自然の景色の中で撮られており、美しく爽やかな感覚すら抱いてしまう作品に仕上がっていました。第90回アカデミー賞の作品賞他4部門にノミネートされ、脚色賞を受賞したとのこと。このようなテーマなのに、とても自然に映画の世界に入っていけました。また、主人公の両親がおおらかな人間観を持っていて、主人公の17歳の少年がさまざまな人間関係の中で大人に成長していく姿を全く規制せずに受容的に見守っていて、なかなか日本社会ではあり得ないなと思いました。こちらは美しい映像がちりばめられており、爽やかなのでお薦めできるかな。

 

自分では観に行かないような作品を他の方からチケットを頂き、観に行って思ったのは自分1人だと、興味や関心の幅は狭く限られてしまい、なかなかそこから、脱することは難しいということです。今までと同じような枠組みの作品を選んでは観に行き、変化は乏しいかもしれません。今回、知らない世界を垣間見てショックを受け、発想の転換があり、自分の考え方やものの見方が少し広がったように感じました。