臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

222回(2023.12.22)「年の瀬を迎えました」

<クリスマス一色のオフィス待合室風景> 

 

みなさん、もうすぐ、クリスマスとお正月ですね。

この時期、なんとなく慌ただしい気持ちになりますが、落ち着いて行動して、くれぐれも、転倒や怪我などされないように、お過ごしくださいね。

 

 ところで、私は久々、対面の学会(学術大会)に参加しました。コロナ禍の間は、オンライン開催が多かったですね。懇親会もありませんでした。学会は精神科医や大学教授、心理の方、社会福祉士などの専門家が一同に会する会合ですね。お茶の水の明治大学駿河台校舎が会場でした。お茶の水は病院に通院したり、入院したり、予備校のときに通学したりで、10代から30代後半まで20年以上長く関わっていた街なので、とても親しみを感じます。山の上ホテルなどもよく家族で利用しました。ただ、時が流れてすっかり建物が真新しくなり、別世界のようでした。学会の開催された明治大学も、昔の古い石造りの建物の面影はなく、まるで、ホテルのようにガラス張りのビルになっていました。

その学会で、サイエンティスト(工学博士)の小鷹研理(コダカケンリ)氏の講演を聞く機会がありました。小鷹氏は「からだの錯覚」の面白い実験でNHKテレビに出演し、「子どもの科学」にも執筆されている方です。

講演の最初に「あなたは偶数と奇数のどちらが好きですか?」というアンケートの問いに回答を書きました。私は偶数が好きですが、誕生月も誕生日も偶数です。集めたデーターを分析したところ、偶数か奇数のどちらが好きかということが誕生日に関係があるということが判明したそうです。もちろん、例外はあると思います。実際、私の息子に尋ねたら、誕生日が月も日も奇数なのに「偶数が好き」と言いました。しかし、自分の気づいていないところで、自分の好き嫌いに、なんらかの要因が関係しているのかもしれないとハッとさせられました。これは来年、出版される著書に書かれるとのことでした。小鷹氏は大学で「からだの錯覚」についての研究をされていて、耳が仏陀のようにビヨーンと長く伸びたように感じる錯覚とか、スライムと鏡に映った自分の手を使って、手の甲の皮がやはり、ビヨーンと上に伸びたように感じる「錯覚」、指をペアになった人が擦ると、指が長―く伸びていくように感じる「錯覚」などを参加者が体験しました。不思議でした。

「車酔い」や「金縛り」「幽体離脱」といった一見、不可思議に見える現象も、決して、不可解な現象ではなく、自分の身体感覚と意識の不一致(ズレ)から起こる「錯覚」から科学的に説明ができると言われていました。心理学とはまた、ちょっと違う分野ですが脳と体に備わった、しくみは面白いと思いました。クライアントさんで、よく金縛りなどの体験をされる方がいて、怖がられるので、このような説明をしてあげることで、超常現象などではないと安心してもらえるかもしれないと感じました。

 

既に出版されている本はこちら→「からだの錯覚」―脳と感覚が作り出す不思議な世界―小鷹研理(名古屋市立大学大学院・芸術工学研究科 准教授)著 ブルーバックス。興味を持たれた方は読んでみてくださいね。

 

さて、12月に阿部の誕生日があって、前後3日間くらい、友人や家族に祝ってもらい、美味しいものを食べ、プレゼントをもらいました。いろいろなことがあり過ぎて、詰まって忙しく、すっかり疲れ果てていましたが、やっと元気を取り戻すことができました。気分転換のために、映画も頻繁に見ましたね。

<ポールボキューズのバースデイプレートとプレゼントの相馬焼のビールカップ>

<手作りアップルパイと毛糸のバッグ>

ゴジラファンなので、最新作の「ゴジラー1.0」も見ましたし、ディズニーの「ウイッシュ」も見ました。また、ジョニー・デップが主演した前作の「チャーリーとチョコレート工場」が面白かったので、新作の、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」を見に行きました。前作の歯科医の父親との「父子関係」を扱った作品とは全く異なる作品でした。前作のウォンカの父親から受けたトラウマを精神分析で扱うかのような作品は好きでしたから、今回のは全く違ったので、少し面食らいました。あれはティム・バートン監督の独自の創作だったようです。

今回は、幼いころ、母親が作った美味しいチョコレートの味の思い出を胸に、チョコレート職人になったウォンカ氏の若い頃の物語で、ほのぼのとした童話のような原作に近い作品になっています。歌もダンスも主演のティモシー・シャラメが巧みにこなしており、たくさんの色とりどりの風船を持って、建物のガラス張りの屋上で踊りながら歌うシーンは美しく、見ごたえがありました。また、前作にも登場したカカオ好きの小さな住人(ウンパルンパ)も出てきます。クリスマスにピッタリ!

 

 

<春日部東口のお酉さまでいただきました>

それでは皆様、良いクリスマスと、お正月をお迎えください。