阿部や阿部以外のスタッフの多くは阿部真里子臨床心理オフィスでの仕事の他に学校に行ってスクールカウンセラーの仕事に従事しています。阿部は現在、都内のとある都立高校にスクールカウンセラーとして派遣されています。今の高校はとても過ごしやすくて、スクールカウンセラーとして、仕事のやりやすいところです。朝早く出なければならないのが、たいへんですが。
阿部はスクールカウンセラーの仕事を始めて二十一年になります。私立女子中高で始めた時はこのスクールカウンセリングの領域の仕事を専門的にやっている方がまだまだ少ない時代で何もかも手探り状態でした。待遇面でも、現在のスクールカウンセラーのように、恵まれてはいませんでした。しかし、精神科の病院に勤務する傍ら、週一回、金曜日に、高校の生徒さんたちと話すのが楽しくて、その日を待ちわびていたことを思い出します。
生徒さんが相談に来やすいようにするにはどうしたらいいかとか、高校の先生方との関係作りはどうするのかと試行錯誤でいろいろ大変な経験をしました。病院心理臨床だけでなくて、学校心理臨床に携わることができたことを幸せと感謝しています。
そのうち、平成七年度から文部省の委託事業の学校臨床心理士活用調査研究が始まり、埼玉県での初代のスクールカウンセラーとして任命された三名のうちの一名として県立高校に赴任しました。「日本で臨床心理士が認知されるかどうかが関わって来る事業である」と県の教育委員会の先生からお話があって、臨床心理士の仲間の未来が両肩に乗っているように感じて、初日の出勤の日はプレッシャーにさいなまれ、気持ち悪くなり、高校のある最寄り駅のトイレに駆け込んで、もどしてしまったことを思い出します。
しかし、案ずるより産むが易しで、その県立高校ではたくさんの来談者とさまざまな楽しい体験、教員とのなごやかな交流など、忘れることのできない貴重な体験ができました。そして、スクールカウンセラー事業は軌道にのって、どんどん発展して、平成13年度からは、全国の中学校への配置が決まり、スクールカウンセラーの数は増えました。
相談室の内部 |
生徒さんが持ってきてくれたお土産のおもちゃ。 ひっくり返すと、空気の泡によって、色とりどりの小さな魚や帆立貝、イカなどが、舞い踊りが、超・可愛い!!です。 |
阿部がスクールカウンセラーをやっていて楽しいのは、高等学校での生徒の触れ合いでしょうか。阿部は小学校・中学校・高校・大学(学生相談)とどこのカウンセラーも経験したのですが、やはり、高校の相談室が自分には一番合っていて、楽しいと思います。中学生ほど、子供ではない。大学生ほど大人ではなく固定した自分の価値観を持っていない。
それだけに、不安定になったり、サポートもたいへんですが、夢や好奇心、いろいろな自分の意見やおもしろい発想を話してくれるところが魅力かな・・・阿部が高校生レベルの幼い部分も今だ持ち続けているからかもしれないなーと思います。(キティーちゃんグッズ好き だったりして?)
オフィスの斯波(シバ)カウンセラーなんかは、無類の子供好きで、今年から始めた小学校のスクールカウンセラーがとてもお気に入りのようです。うれしそう、楽しそうに、小学校での様子を語ります。関谷カウンセラーは中学校の適応指導教室(不登校などで学校以外の場所で勉強をしたい、あるいは学校への復帰までリハビリをしたい生徒さんを預かる教室で、教育委員会が設置している)の生徒さんと関わっています。外国で勉強してこられた仁科カウンセラーは子供専門のプレイセラピストで、子供さんたちと話している姿を見ると、やはり「子供さんへの接し方に、とても慣れているなー」と阿部が思うことがあります。私立中高一貫教育校でのスクールカウンセリング活動や大学の学生相談を行っている服部カウンセラーもいます。その他、納富カウンセラー、後藤カウンセラー、アメリカ在住で休職中の西村カウンセラーなども、スクールカウンセリングに従事しています。そして、学校内での相談活動が我々オフィススタッフの日々のオフィスでのカウンセリング活動に、大きく役立っている面があると思います。学校の中での保護者や生徒さんの立場を身近に見ることができるので、理解や共感が深まっていくと思っています。阿部も、これからも、できる限り、スクールカウンセリングも続けて行きたいと思っています。
ホワイトボードのへんてこな絵は生徒の描いた、
ナゾナゾ絵文字です。なんて描かれているかな?