臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第99回(2011.8.11)

 皆さん、しばらくぶりですが、夏休み、お元気にお過ごしですか?
HPのリニューアルでしばらく、「気まぐれナビ」も更新をお休みにしていました。前回は5月下旬だったので、ずいぶん経ってしまいました。また、復活しましたので、今後とも、よろしくお願いします〜!!

 8月6日(土)〜7日(日)まで、岐阜県恵那に、乗馬クラブのツアーで外乗(自然の中で馬に乗ること)に行って来ました。気持ち良い、古い昔の山村の風景そのままの中で、すごくリラックスでき楽しみました。風景を見ていると、なんか昔にタイムスリップしたような感覚に襲われます。絵本の中でしか見たことのないような風景。

 

 今まで、個人で九十九里群馬県太田、北海道に外乗に行ったことはある(前に気まぐれナビにも書きました)のですが、クラブのツアーは初めてで、しかも一人での参加でした。「ちょっと不安だな〜」と思いましたが、「きっと大丈夫!みんなと仲良くなれる!」と自己暗示して、思い切って参加申し込みしました。参加人数は指導員のT先生(女性)を含めて14人で、男性4名、女性9名という内訳でした。T先生以外の方はみんなレッスンの曜日や時間帯が私と違い、初めてお会いする方ばかりでした。年齢は幅があり、私はたぶん上のほうだった?(苦笑)と思います。昔のアメリカからの直輸入のテレビ番組「ララミー牧場」や「ローハイド」を知っている世代の方のグループの方に入るといえば想像がつくのではないでしょうか。やはりそれらの番組に強く影響されて、「馬に乗りたかった!」とか口々に。阿部は心の中で、「私とおんな(同)じジャン!」と思ってしまいました。そして、頭の中では小学校入学前に見ていた番組の主題歌が心地よく鳴っていて、主人公の顔までが浮かびました。

 8月6日は朝7時に東武動物公園駅に大型観光バスが待っているということで、早起きして、一番に観光バスに乗り込みました。まだ、バスには運転手さんしかいませんでした。
電車組(6人)はそこからバスに乗ってクラブまで行って、自動車組の方(8人)と合流しました。参加人数は14人なので40席くらいあって、一人2席でゆったりと座って寝ていけました。
 久喜インターから東北・外環道→関越道→圏央道→中央道という行路で、岐阜県恵那まで向かいました。かなりの道路の渋滞があったので、13時半の予定よりも2時間遅れて15時半に恵那に着いて準備して、16時くらいからの外乗でした。「夏休みの土日なんですから、これも仕方ない」と思い、全く気にならず、「睡眠時間確保」とばかりに、ぐっすり寝て行きました。車内の中もみなさん寝ているのか、話し声もなく、静けさに包まれていました。眠っている途中で、夢を何回か見たのですが、内容は全く覚えておらず、しかし、決まってニンマリと大きく口を開けて笑った表情で目が覚めるという繰り返しで、起きたら慌てて口を閉め、周りを気にしました。日頃のストレスから解放されたバス旅行がこんなにも気持ちのいい眠りを誘ってくれるんだと、自分でも、ちょっと、びっくりしてしまいました。こんなこと今までに一度もなかったので〜。もうこれだけでもだいぶ「癒されている」感じ。トイレ休憩のたびに、バスから降りるのが、ちょっと、けだるく面倒くさくなりました。そして、やっと恵那のクラブに到着。私の所属しているクラブと同系列の恵那にあるクラブは、山や田んぼに囲まれた雄大な自然の中にあり、クラブの建物も山小屋風で、中もとても綺麗な感じでした。事務職員さんも指導員さんもみんな、私が普段行っているクラブの職員さんと同じ普段見慣れたユニホームー事務の方は縞のシャツに紺のベストにスカート、首もとに緑のリボン、指導員さんは会社の英語のロゴ入りのTシャツと乗馬ズボンーなので、初めからなんだか安心した感じがもてました。まるで、遠く離れた土地へ来ているのでなく、家からいつもの乗馬クラブへ行った時みたい。

  

 3班(1班4-5人)に分かれて、木曽馬や道産子など、小さめなポニーのような馬に乗りました。私は1班目で、恵那のクラブの男性指導員さんがリーダーのやや大きめでかっこ良く凛々しい馬に乗り、我々4人の女性を誘導してくださいました。
 第1日目はクラブの周りの森の中の道路を登ったり下ったりしていきました。部班(隊列のこと)は馬同士くっついてしまい、前の馬のお尻に頭が乗っかっても良いとのこと。
(ちなみに埼玉のクラブではしっかり馬間距離を開けるように言われて、ありえません)ここの馬はみんな仲良しなのです。でも、女の子の馬だけは後に来られるのを嫌がるから部班の一番最後にしますとのことでした。  

 

 坂を降りるときには馬がお尻をふりふり、体験したことのない身体の感覚で下っていきます。これがこの馬たちの特徴なのだとのこと。私は4人の中の3番手で「V3」という若いやんちゃで可愛い茶色と白のぶちの馬に乗りました。その馬が、道路の横に生えている草や木の葉を食べたがって、部班からそれてしまうので、鞭(むち)を使ったり、足で誘導したり、制御がたいへんでしたが、なんとか、1時間のコースをみんなについて歩く事ができました。制御に一生懸命で、まわりの景色を見る余裕があまりなかったのが残念でした。

 開始時間が遅れたため、最後の3班が帰って来たのが、17時半を過ぎて日がとっぷりと暮れた頃で遠くで雷がなったりしていましたが、幸いそれほど雨に降られることもありませんでした。クラブを出て、観光バスで長野県にある温泉に、高速で1時間乗って向かいました。そこは阿智川温泉と言って、洞窟風呂など露天風呂などあって、食事もいろいろ工夫されていて、綺麗な建物の旅館でした。旅館に着く頃には、ドシャブリの雨になっていて、旅館の玄関先を川のように雨が流れていました。やっと、荷物をバスのトランクから、運転手さんが引っ張り出してくださって、みんなでチェックイン。私の部屋は、3人部屋で8〜10歳の差がある3人で、私が一番年上。すぐに夕飯でお風呂。ともかく早く寝て明日に備えなければと思いましたが、乗馬クラブや馬の話になると、それがまた、楽しくて3人でおしゃべりしてしまい、消灯したのが、夜中の12時を回っていたと思います。

 第2日は早めに起床して急いで6時45分から朝食を取り、準備をして、バスで根の上高原へ向かいました。高原が広がっている先に、山に囲まれた湖があって、その水に森の木々が映っています。こんな綺麗な湖の風景は見た事がないと思いました。乗馬ブーツを履いて、その辺を散策して待っていると、恵那のクラブの、馬を運ぶための大きなトラックがやってきました。この中に、昨日乗った馬たち6頭が入れられています。前の部分に3頭、後の部分に3頭の馬が乗せられており、馬が下りるときの踏み台になる部分もトラックの扉の部分についており、開けると、上手い具合に、スロープとなっており、馬が横に落ちてしまわないように、両側に壁もあります。私は馬を運ぶ所を初めて見ました。馬は一頭、一頭、後ろ向きに降ろされて、スロープの途中でクルっと回転して降りてくるという感じでした。私の昨日乗った「V3」号も、鞍が既につけられた状態で降りてきました。昨日はコントロールするのに夢中だったので、「可愛い」と思う余裕がなかったのですが、再会してみると、とても可愛らしくて、また乗れると思うと、ワクワクしました。同時に、「今日はうまく制御できるといいなー」という気持ちでした。

   

 「今日も1班から行きます!乗ってください。」と言われ、正直、大丈夫かなと心配にもなりました。でも、乗ってみると、昨日より、乗りやすい慣れた感じがしました。草を食べないように、叱ったり、手綱を引いたりすることもでき、隊列にもそれないで、ついていける時が多くなりました。しかし、ちょっと気を許すと、すぐに道の脇の草や木の葉を食いちぎって食べてしまいます。山道の道路を上がったり下がったりしながら、常足(なみあし)したり、速歩(はやあし)や軽速歩(けいはやあし)をして、どんどん行くと、湖の波打ち際に降りる急な下り坂があって、指導員さんの乗っているリーダーの馬と、前の馬2頭はスタスタと降りていきました。でも、私の乗った「V3」はなかなか降りようとせず、後方から車でゆっくり伴走していただいた、クラブの方にちょっと引っ張って助けてもらいました。そこで水を飲ませたり、馬で並んで写真を撮ったりしました。また、急な坂を手伝っていただいて登り、みんなの待っている広場まで戻りました。戻ってくる時は、ホッとした安堵感に包まれました。

 2班目の外乗の途中で、湖畔の国民宿舎でバーべキューを食べたり、建物2階の小さな温泉に入って汗を流すこともでき、最高の気分でした。

 帰りのバスは最初は調子よく高速を流れていたものの、だんだん詰まり始めて、のろのろとちっとも動かなくなってしまいました。事故渋滞と、雷の影響だったようです。これでは電車組の方で遠い方は帰れなくなってしまうということで、バスは一旦、新宿に寄って、2人の方が電車で帰るためにバスを降り、結局は、我々が埼玉のクラブに到着したのは夜中の12時をまわってしまっていました。行きも帰りも渋滞が多い旅行でしたが、それさえも「良い思い出」になりそうな本当に楽しい外乗でした。引率のT先生、バスの運転手さん、現地の指導員さんやスタッフの方々、また、夜中に出迎えてくださった、埼玉のクラブのスタッフの方々、一緒に旅行でお世話になった会員の仲間の皆さん、たいへんお世話になりました。ありがとうございました。