臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第61回(2008.2.8)

みなさん、雪が降ったり、積もったり。寒いですね。

<ミスタービーン> 

最近、春日部のショッピングモール、ララガーデンの中にユナイテッドシネマができて、元来の「映画好き」が復活してしまいました。

 ロビンソンデパートの中の映画館もなくなり、草加とか、東京まで、映画に行くのは遠いので、忙しいし、しばらく、よっぽど見たい映画じゃないと、見ないようになっていました。
 
 先日、「ミスタービーン、カンヌで大迷惑?!」を見て、最初、前半まではあまり面白くないかも・・・?失敗したかなとまで思っていましたが、なんの、なんの、後半からはどんどん面白くなり盛り上がって、最後には本当にシアワセな気持ちになって映画館を出ました。パーと目の前が、明るくなったというか。本当に見て良かったです!!

ミスタービーンはクジで当選したカンヌ旅行中にカバンは電車で失うし、パスポートや切符、財布までなくして、普通なら不安でパニックになるのですが、自力で解決しようとします(いつも誰にも相談せずに、彼なりに変なアイデアで解決しますよね。また、それが迷惑になったりするのですが)。ビーンのせいで父親とはぐれてしまった10歳のロシア人の少年(有名な監督の息子)や、女優の卵と一緒にカンヌの映画祭までやっと行き着くのですね。そして、ミスタービーンは「ウイ」、「ノン」、「グラーシアス」(何故かこれだけ、スペイン語)しかしゃべらないのに、まわりのみんながフランス語やロシア語で応対するうちに、あれよあれよという間に、物語が展開して、本当に面白くて感動してしまいました。

 映画のパンフレットによると、ミスタービーンを演じるローアン・アトキンソンはオックスフォード出のエリートだとか。計算されつくしたギャグなのかも・・・良かったら、是非是非、見てくださいね。元気になれますよ!!お薦め。


 

世界ウルルン滞在記 

 なんの気なしに、チャンネルを変えていたら、ペルーのジャングルに女優の石田えりが滞在するという放送があって、やはり、ペルーに2年前に行った阿部としては興味があって見てしまいました。ペルーのジャングルの奥地の、アシャニンカ族という先住民族の部族の村に石田えりが泊めてもらうのですが、赤いお化粧をしてもらい、みんなと同じものを食べて滞在。そこにはシェリピアリという、薬草をつかう呪術師がいて、いろいろな症状に効く薬草の知識のある、お年寄りの長老みたいな人がいます。みんな、困ったり、病気になると、いろいろ相談します。医師みたいな、カウンセラーみたいな感じですよね。いわゆる、ヒーラーですね。
 
その人はジャングルの中にたった、一人で住んでいて、責任の重い仕事なので、もう後継者はいないだろう。自分の代で終わりになるだろうと言っていました。前に弟子もとったが、あまりの責任の重さにみんな逃げ出したという話をしていました。

文明がやはりここにも来ていて、前は、ジャングルの中で用を足していたが、トイレができたおかげで、ハエがいなくなったと喜んでおり、また、無線機を最近、村で手に入れたとのこと。それで、文明社会と交信でもするのかと思いきや、なんと、急病人が出て、自分の村のシェリピアリがたまたま留守だったときに、別の村からシェリピアリを呼んで、とても助かったと言っていました。文明の利器を手に入れても、やはり自分たちの伝統医療(?)を大事にしていることが、ほほえましく思えました。あまり、みんな病気にならないらしいし、子供たちの顔も毎日、魚を釣ったり、川で泳いだり、イキイキしています。自然とのふれあいが、みんなを健康で、元気にしているのでしょう。最近、世界中の研究者が、ジャングルの中の薬草の成分を研究しているとのことで、結局、漢方薬(生薬)ってことですね。免疫を高めて病を癒す方法だということだと思います。シェリピアリも石田えりが別れ際に、「元気でいてくださいね」と言うと、「死ぬまでは自分は元気で生きているよ」と話していて、寿命を受け入れ、それまではしっかりと、村人の健康を守って生きている様子がとても、すばらしく思えました。

 この村では「孤独」や「さびしさ」という概念がなく、説明しても誰もわからず、石田えりが、日本の都会で一人で食事をしていると聞いて、村の人々がびっくりしていたところが印象的でした。たくさんの家族の中で一緒に食事をして生活していると、孤独や寂しさは感じないものなのですね。石田えりがかえって、ジャングルの中でたった一人で暮らしながら、責任の重い仕事に従事している、シェリピアリの真の「孤独」を察して、涙を流すシーンは印象的でした。