臨床心理士 阿部真里子の気まぐれ道草NAVI

所長阿部が折りにふれて感じたこと、考えたことをちょっとした言葉にしてみようと思いつきました。 人生でNAVIが必要だな・・・どうやって生きて行ったらいいの?って思うこともありますが、あんまりがむしゃらに突っ走るばかりでなく、時々ほっと一息ついたり、遠回りになるけれど道草も大事ですよね。道草の途中で、意義深いものや自然に出会ったり、人に出会ったりして、人生が大きく変わることもあるのかも。"カウンセリング"も道草の一つかもしれません。目的地にとらわれない道草的NAVIって面白くありませんか?

第14回(2005.7.24.)

みなさん、こんにちは。

 夏、真っ盛りという感じで、暑い日が続いています。暑い日は、たとえば、真っ白なドライアイスのような冷気の出ている氷河を思い浮かべてみたり、自分が清流の流れの中に身を沈めているところをイメージして冷たい川の流れを感じてみるというようなことをすると、体感温度が全然違ってきますよ。今、この文章を読んだだけでも少し涼しくなってきたのではないですか?でも、暑いということを感じることも、熱中症予防などに大切なので、ほどほどに使ってくださいネ。

 第11回で、「人生、思ったとおりになっている」という話をしましたら、それは阿部だから特別に起こっていることで、自分は全く「そうなってない」とおっしゃる方もいらっしゃいました。

 「こうなったら、いいなー」という思いの他に、「そんなことなりっこない」「どうせ自分は駄目だ。無理だ」といった思いがくっついていると、そちらが自己暗示として作用してしまい、そうなりっこない。それがそのまま実現してしまうことになります。また、こうなったらいいという願望の方は、がむしゃらな頑張りで(意図的努力で)実現しようとするので、きつさやたいへんさ、しんどさを伴い、そればかりが意識されて、自己暗示となりにくいとのこと、オフィス顧問の河野良和先生が常々おっしゃっておられます。

 失敗しようと努力する人などいるわけもないですから、意図的な努力ではない「思い」となり、かえって、失敗の方が自己暗示として作用しやすく、結局容易に失敗してしまうということになってしまいます。

 よく子どもの頃、砂糖を砂糖壺からすくって入れようとして、「こぼさないようにね」などと、きれい好きの母に後ろから怖い声で注意されたりすると、余計に緊張して、無惨にもこぼしてしまい、お叱りを受けるというはめに陥ったことが何回もありました。どんな小さなことでも、成功するためには力を適度に抜いて、リラックスしていることが大切です。阿部の趣味である乗馬でも、怖いからつい力が入ってしまいますが、かえってそれはバランスを崩し落馬など危険です。できるだけリラックスして笑顔で乗るようにと指導員から言われています。

 だけど、重大場面になればなるほど、余計な力を抜くことやリラックスは難しいですね普段の自律訓練法の練習やイメージトレーニングを欠かさないことが大切だと思いました。